《MUMEI》
ハッピーメリークリスマス
少年は、いつも、笑っていた。月日が経つごとに、少年は、大人になり、少年は、いつしか、自分が、特別な事を知った。

少年は、限りある命を守るために、自らを鍛え、すべからく、愛する人を救いたいと、いつも、ナイフを磨いていた。

くちおれるような、退屈な毎日を、戦いに捧げ、いつしか、大人への階段を登り、その時は、やってきた。
戦いは、熾烈を極め、世界を共振させ、ついに魔王は、屈伏し、法と秩序と愛の名を以て、縛につき、滅んだ。

すべては、序幕だった。

戦いは、戦いを呼び、平和と愛といくつかの夜が、すぎた後、その戦いは、遂に火蓋をきった。

エルエンテオルテの裾野を走るカラカイの町役場で、一人の老婆が死んだ。町役場は、何もいわず、埋葬もしなかった。待ちゆく人々は、陰口を忘れなかった。

いずれくるサムハンテハンテの夕凪の後に、コロッセウムからでてきる人々は、いった。待ちゆく人々は、皆、黙っている。ロンガの都では、今、殺戮が、行われていると。たくさんの民と羊とが、混乱に喘いであると。

サムハーンは、いった。『鳥たちを鳴きやませろ。』と。


数々、限りなく、立つ人々の噂の群れは、羊飼いたちを黙らせ、東方の日の沈む大地に祈りを捧げた。


怒った、ロンデロンデは、限りない闇を呼び起こし、すべての人と、すべての動物達に誓った。『私は、神であると。』


数千の星の群れがやってきたのは、限りある命の尽きる、その夜明けの事であった。

少年は、死を覚悟した。


数千の星の群れは、少年にいった。『命を奪った数だけ、汝に命を与える。神の威に従うか。』と。少年はいった。『従う。』と。

ロンデロンデは、限りない忠誠と、限りない子供たちのために、自らの血と、羊飼いたちがはこんだ、羊の血と、鳥たちの中から選ばれた雌鳥の血を神に捧げた。

ロンデロンデは、神になった。


少年は、蒼い火の槍と、白い無数の火の矢とを、射かけ、ロンデロンデの砦を破壊した。怒った神は、少年を、死と、苦痛と、蔑みのただ中に陥れた。少年は、いった。『神と神の神に誓って、神を撃つ。此れは、神の神の法則であり、人の力だ。』

神は、絶叫をあげた。


のたうちまわる神ロンデロンデの向こうに、数千の星の人々と、星に導かれた数万の軍馬とが、幾千もの、方舟とともに、やってきて、いった。『ご苦労。』と。

神ロンデロンデは、死んだ。

少年は、星の人々に導かれ、町に帰り、英雄となった。少年は、立ちすくむ、父と母に、涙し、そして、老婆の墓に家の鍵を捧げた。
戦いは、終わった。

すべての人々は、平和を祝った。この星と、人と、神の神は、静かに暮らし、また、周期は、周り出した。
戦いは、終わった。

人々は、永遠に魂に平和と愛と平等を誓った。



(ハッピーメリークリスマスに魂を込めて)

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