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《MUMEI》 シャッター音。「もう誰もいないや。早くかえろ!」 教室に入って自分の席にかけてある鞄を持って出ようとした時 「下柳さん?」 背後から声がした。 「あ、石橋くん!」 「こんな時間までどうしたの?」 「へ!?いや、まぁいろいろありまして」 「ふーん」 後ろにいたのは同じクラスの石橋匠(イシバシ・タクミ) 目立つ方ではないが気のきく子だ。 「石橋くんこそどうしたの?一人で…」 「僕…?僕は、ほらコレ」 そう言って取り出したのは専門的なカメラ 「あぁ、石橋くん写真部だったっけ」 「教室に忘れっぱにしちゃってね」 「宝物なんだ」 唯一の言葉にニコっと笑みを含ませながら…… 「そう宝物。……………………………この中には大事なネガが入ってるからね」 特におかしなことを言ってるわけでもないのに何故か異様な空気が流れる 「そ、そか!んじゃまた明日ね」 唯一も笑顔を作り、一言挨拶をして教室から出ていった………。 廊下を走る唯一の後ろ姿を見送りながら ――――――――カシャッ。 シャッター音が鳴る。 「………………また、明日」 廊下の窓から入り込む夕日が不気味に校内を照らしだす……………。 前へ |
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