《MUMEI》

それには、この地図
と鍵が必要だ。
鍵とは…ジェルマの
ロザリオ。


…ジェルマ!…

そこでケインは気付
く、真実を知ってし
まったジェルマの心
情に…実の親に見捨
てられ、ロザリオの
枷と修道院の檻に縛
られた哀しい天使。

…しまった!…

ケインが、ジェルマ
の方へ目を向けると
目に映ったのは、青
ざめて崩れ落ちよう
とするジェルマの姿
だった。


『ジェルマ!!』

叫び声をあげ、素早
くジェルマの元へ駆
け寄る。間一髪で床
に身体が着く前に抱
き留めた。

『ジェルマは大丈夫
ですか?あぁ…なん
て事…』

『おい、しっかりし
ろ、お嬢ちゃん!』

ラント修道師とサル
タンもジェルマとケ
インの元へ近付き声
をかける。

ケインの腕にしっか
りと抱き留められた
ジェルマの顔は青白
く、意識は無かった


そんなジェルマの姿
を見たサルタンは、
ケインに無言で頷き
ラント修道師の肩を
掴んで部屋の出口へ
と向かう。


『ちょっと、アナタ
何を…』

『アナタじゃね〜よ
俺はサルタンだ!』

『だから、名前を聞
いてないって…もう
!』

『いーから、坊さん
は俺と話しをしよ〜
ぜ!』


騒がしく二人が出て
いった部屋で、ケイ
ンはジェルマの身体
をそっとベットに横
たえる。

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