《MUMEI》
女賞金稼ぎ危機一髪!
火剣が仕切る。
「ワンパターンじゃ飽きられるからよォ、俺様がファーストシーンの模範演技を見せてやる」
「大丈夫なのか?」
「反則負けはダメですよ」
激村と仲田の心配をよそに、火剣が語る。
「反則スレスレの低空飛行だ。まあ聞け」

あちこちの悪党に用心棒として雇われているコング。この大物を食おうと、賞金稼ぎの美貴は体を張る。
コングは身長が185センチで体重も185キロ。普通身長と体重が同じ数字というのはない。
要するに鞠だが筋骨逞しく格闘技も修得しているので素手では勝てそうもない。
美貴は、コングが無類の女好きと聞き、それが唯一の弱点だと踏んだ。
しかし無類のドSとも聞いているので、失敗は死を意味する命懸けの仕事だった。

ホテルの一室。チャイムが鳴る。ドアを開けるコング。美貴は笑みを浮かべた。
「チェンジしますか?」
スリムでセクシーなボディ。魅惑的な美貴を見てコングは笑った。
「キミを見てチェンジする男はいないよん」
「上手ですね」
美貴は緊張した。体は大きいし、笑顔と喋り方から変態気味な空気が漂う。
ますますミスは許されなかった。
服を脱ごうとする美貴に後ろから抱きつく。凄い力だ。
「待って、シャワーだけは浴びさせて」
つぶらな瞳で哀願すると放してくれた。
早速仕事にとりかかる美貴。香水を使うふりをして部屋に催眠スプレーをバラまき、自分は素早くバスルームに逃げた。
大胆にも裸になってシャワーを浴び、下着だけつけて部屋を覗く。巨体のコングが倒れていた。

「起きな。ボーヤ」
「ん?」コングが目を覚ます。
両手首を後ろ手に拘束されてすわらされているコングに、美貴は言った。
「残念でした。あなたは警察に突き出すからね」
「おおお! 下着姿ではないか。しかも純白…がっ」
顔面キックが入った。
「黙れ変態!」
「顔を足にしたね?」コングが笑顔で睨む。「謝りな」
美貴は怒りに任せて顔面パンチ!
「NO!」
「舐めるからだよ」
しかしコングはまた余裕の笑みで言った。
「謝ったら許してあげる。謝らないなら許してあげないよん」
「貴様…」
睨みつける美貴に、コングは両手を前に出して見せた。
「これでも謝らない?」
「!」
ほどかれている。美貴は下着姿のまま構わず廊下に逃げようとしたが、コングに捕まってしまった。
「待って!」
「ボン」
ボディブローが入った。美貴は膝から崩れ、気を失ってしまった。

目を覚ます美貴。何とベッドに寝かされ、手足を大の字に拘束されている。
「んんんんん!」
猿轡を咬まされているから声が出せない。下着は取られていないが、生きた心地がしなかった。
「ぐはぐはぎひひひい!」
コングが上に乗ってきた。やられちゃう。美貴は必死に首を左右に振り、哀願に満ちた目でコングを見つめた。
しかし無慈悲なコングには通じない。
「泣かすよん。ボカボカボカ!」
まさか。無防備のおなかに岩のような拳が振り下ろされる。
「ボカボカボカボカボカ」
「んんんんん! んんんんん!」
美貴は泣き顔で哀願の意思表示。でも許してくれない。
「ボカボカボカ…」
「カット!」激村監督が止めた。
「何がカットだ。これからいいところなのに」
「鬼畜かっ!」
「うるせえ」
「人格を疑いますね」仲田が軽蔑の眼差し。
「バッファロー! コングは手加減してるに決まるショッカー地獄の軍団だ」
「日本語を喋れ」

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