《MUMEI》

雅俊が、怪訝な顔でどう考えても、リング状のお菓子しか思い当たらないな。と考えている間に相手がまた動いた。


「…ごめんね。」


突然、聞こえるか聞こえないかの小さな声で謝ってきた。

「?」


「アップルパイ!!!」

「え?」



直後に大きな声で再びお菓子の名前を叫んだ相手に驚く間もなく、

―ザッ

音と共に、大量の水が階段上から降ってきた。



「で?!!!!!!うわぁ」

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