《MUMEI》
邂逅
パシャ…





「…いってぇ」


突然の水攻めによって階段から突き落とされた雅俊は、見事に階段の向かいの教室の壁まで押し流されていた。



なんとか、かすむ目を無理矢理階段に向けると、踊り場に人影が見えた。



相手は雅俊が見ている事には気付いていないようで、雅俊の方を伺うようにしている。



―女子制服…



雅俊はそれだけ確認すると、そこかしら痛むのを我慢しながら、身体を起こす。

「!」

雅俊が起きあがった事で、その女子生徒は再び階段の壁に隠れてしまう。

「…ノルフェスじゃなくて安心したよ。なんで攻撃なんかしかけて来るんだ。」

雅俊がそう問いかけると、小さく息を呑む音が聞こえた。



「明智くん…」

「?俺のこと知ってるのか?同じ学年?」



名前を呼ばれたことに軽く驚き、さらに問いかけるが、何も返ってはこない。







「…夢幻逃走!」

「!!!??」

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