《MUMEI》
再会。
病室を出た、バンプと狩月はフラフラと散歩を続ける。
「そうやって歩けるところ見ると、安心できるよ。」
隣を歩いている狩月に声をかけるバンプ。病棟の周りには数人の怪我人が散歩をしたり、リハビリをしたりしている。
「バンプさん、あの洞窟どうなったんですか?」
歩きながら会話を続ける。
「ん〜・・閉鎖したよ。あれから三日経つけど・・今の所問題は無いね。結界張ったから簡単にはモンスターは出て来れないはずだよ。もっとも・・閉鎖したって言っても、洞窟に入ってくヒトは居るけど・・」
空いているベンチを見つけ、座る二人。
「三日も経っていたんですか・・」
信じられないというように狩月が聞き返す。
「うん、あれから三日。死んでしまった騎士の葬儀も終わって・・一応落ち着いて来た所。」
ふぅ・・と大きくため息をつきながら話すバンプ。
「そうだったんですか。」
頷きながら、ふと視線を病棟の窓に向ける。
三階の病室、何処かで見た顔がこちらに手を振ってる。
こちらも手を振り返す。と、窓を開けた・・
飛び降りた!!
「えええええええええええええええ!!」
思わず叫ぶ狩月。
「どうし・・・ちょっと待てええええ!!!」
隣のバンプも気がつき、叫ぶが・・遅い。
ヒュウウウウウ・・
落ちてく人影が、紙片を投げた。
フワァン。
風のクッションができ、緩やかに地面へと着地する。
「っと。」
自分が放った紙片を拾い、狩月の方へと歩く。
「よかった〜君を置いて逃げたから心配してたんだよ。」
何事も無かったかのように話しかけてくる符術士。
「何してるんですか!!危ないですよ!!」
しばらく、呆然としていたがとりあえず怒鳴る狩月。
横ではバンプが大きくため息をつく。
「狩月、俺はこれで失礼するよ。疲れたらロナイ叩き起こしてベット奪えばいいし、宿屋に戻っても問題ないはずだよ。」
ベンチから立ち上がり、病棟の方へと歩いていくバンプ。
「ごめん、邪魔だったかな?」
符術士は隣に座ると、申し訳なさそうに尋ねてきた。
「いえ、特には・・でも、無事だったんですね。」
「なんとかね〜、途中で「首狩」に会った時は死んだ〜って思ったけど・・騎士団のヒトに助けてもらって生きてるよ。」
あっはっはと快活に笑う。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫