《MUMEI》
日常の中のひみつ
 朝香 翼。中学一年生。わたしの毎日は…
「こらーーっ!ナツ、まてっ」
「やなこった〜」
コイツ↑香椎 ナツメ(通称ナツ)とのケンカからはじまる。
「わたしのデザートのいちごゼリー食べたのナツでしょッ!」
「しらねえよ。莉歩たちじゃねぇの?」
こうやって腐れ縁なのをいいことに、いつもイジワルしてくる。
「莉歩たちのわけないでしょーっ」

「スットプッ」

親友の莉歩の声がして、私は後ろへ引き寄せられた。
頭1個ぶんわたしより高いそのひとをわたしは知っている。
声をはずませて、そのひとの名前を口にした。
「蜜っ」
やさしくてかっこいいわたしの幼なじみ。
「あんまり騒がないで。迷惑だよ。」
蜜にうしろからだきしめられたまま、わたしは蜜のうでに顔うずめるようにうなずいた。

あっちはまだ莉歩のきびしいおしかりを受けているようだ。
…ざまぁみろ。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

このまま、ずっとずっとケンカともだちでいられたらよかったね。

そしたらつらい思いもしなくてすんだし…それに……。

ね、そうだよね…?   ナツ……。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

放課後。わたしはナツとふたりでいた。
告白……なんて、ロマンチックな展開じゃない。ふつうに日直だ。
「もうっ、最悪ッ。ナツと一緒に日直なんて。おまけに書庫の整理なんてっ」
ブツブツいいながら、物置と化した旧図書室を整理する。
「オレだってそーだよっ、ったく…担任が国語科じゃなきゃ…。」
「だよね…」
あぁ…はやく蜜と帰りたい…。そんなことを考えていると、ナツはわたしの顔をまじまじと見つめ…
「な…なに?」
「ん?」
慎重に口を開いた。
「いや、さぁー…」
「なに?はっきりいって?」

「もしかして…翼、蜜のこと…好き、なのか?」

「ふぇぇっ!?」
びっくりして、すっとんきょうな声をあげると、ナツは「図星か…」と気まずそうに目をそらした。
「そーいや、今日の朝もだきしめられて顔、赤くしてたもんな。」

う、うそ…っ

なんということだろうっ

…一番ばれたくないやつに、好きなひとがばれてしまった…ッッ

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