《MUMEI》
のぞみ混乱
「動かないでもらおうか?」
建物の隅に隠れていた男性が、姿を現した。
「はい?・・嘘!?」

「君の周りは電力の糸で囲ませてもらった。少しでも動けば、君は電力糸の餌食だぞ?」

電力で作られた糸が中虹を囲んでいる。少し、熱を帯びているようだ。

「そんなの恐くない。」

電力糸を次々と凍らせる中虹のぞみ。

「ほう。電力を冷気に変えて撃てる電能力か。」

「・・・。」

「終わりだっての。」

「なら、説得でもしてみるか。」

「はあ?そんなの聞くわけないじゃん。終わりだって。」


「君は11年前の地震を覚えてるか?」

「なんですって!?」



「甘いな。」

「しまっ・・・体が・・動かない・・。」
足に電力糸が引っ掛かった・・・。

「安心しろ。殺しはしない。君も11年前の惨劇の被害者だろ?」



「やめて・・やめて!やめて!やめて!やめて!・・や・・めて・・・。」

「もう話せなくなったか。まあいい。説明してやろう。あの惨劇を・・。」

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