《MUMEI》

「国兄〜……回覧坂置いとくからね」
……ひっ、七生!


「はいはーい有り難う」


「あ、二郎来てたんだ」


「……おはよ」
緊張する。国雄さんにお礼を言って一緒に出ていく。「あのさ、近くで雑誌買いに行くけど?」


「行く」
よしよしよしあとは言うタイミングを探すだけ……


「……てか、アレ?」
歩きながらの会話で確信を持てた。
落ちてる。
顔が笑ってない。歩調早いし、後ろから咄嗟に手を引く。
「七生どうしたの」





「ふられた」
早紀さんに、先越された……。


「そうなの。り、理由は?」


「…………男。

きっと俺がチビだから、魅力がないからなんだ。」


「違う!七生はカッコイイもん!」
手に力が篭る。


「気休めだな」


「カッコイイもん!
六ヶ月付き合った彼女とガキの頃からの親友どっちを信じるんだ?」


「もんって……。」
あ、ちょっと笑った。

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