《MUMEI》
狂喜
 





都内の一角、エレベーター付のマンション

近くにはコンビニもあって便利な場所に建ってある。






マンションには、いろんな人間が住んでいる。




夜中だとゆうのに夫であろう男の怒鳴り声と妻であろう女の叫び、そして泣きじゃくる子供の声がいっしょくたになって上の階から聞こえてきたり、




髪を痛むほど染めた若い母親がドカドカと挨拶もしないで廊下を歩いていたり




とにかくいろんな種類の人間がいる。


そして俺はこの7階建マンションの5階に住んでいる。







見た目は普通の成人男性で挨拶もちゃんとしているし、ルールを守ってゴミを捨てている。


ちゃんと普通を`演じている'………










ピンポーン





―――誰かが来た。
まぁ、誰かなんてわかってるんだけれど…






ガチャリと扉を開ける




「あ、どうも。相澤です」

「見ればわかります」

「で、ですよね―」




ハハハと苦笑いを溢す相澤という俺のバイト先の女子








「スカートだし寒いでしょ、早く入って下さい」

「あ、すみません」







そそくさと玄関に入ってパンプスを脱ぎ、ちゃんと揃える

見た目通りちゃんと礼儀を知っている子だ…。








おじゃましまーす。と、小さく呟きながら中へ中へと入っていく

俺はその様子を伺いながらカチャリと鍵を締める











「コーヒー入れるよ」



台所に向かい棚からマグカップを2つ取り出す。








「あ!新くん私コーヒー苦手でッ」

「あ、そうなの?じゃあ紅茶は?」

「紅茶なら大丈夫。ごめんね」






申し訳なさそうに笑いながら俺に謝る。







……………………。





カチャカチャとスプーンとマグカップが当たる音が響く。

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