《MUMEI》

 






「あーだるッ!マジだる!だるんだるん!!」

「うるさいうるさい!なんかウザい!」







校庭を走り回る、体操着を着た女子達。

あっちこっちボールが行き交うなか、微動だにしない奴等が二人




1ページ前に紹介した笠岡色と鬼塚弥生 (オニヅカ ヤヨイ)





ダボダボの体操着のポケットに手を突っ込み校庭のど真ん中で空を仰ぎ見る。







「オイーッ!色ィ、弥生ィ!あんたら何してんの―――!体育だってのに何その態度!試合中よ試合中!!」






遠くから聞こえるクラスメイトの女子の声。








「うるせーな何で動きたくもないのに動かなきゃなんないの。時給でもくれんのか?」

「鬼塚さん鬼塚さん、チンピラみたいです鬼塚さん」










ぼ―――――っと空を眺め
試合を放棄









「ねぇ色、今日の放課後遊ぼーよ。服ほしんだよね服」

「先週買ったばっかじゃん」

「バッカ、服なんていくらあっても足んないよ」

「新しいもの好きだよぬ弥生って」

「流行に乗ってるからね」

「ははっ」










弥生と街をぶらつくことはよくある。そのたびに無駄買をして弟に怒られる…。




あーそういや全財産1500円ぐらいしかないや


ま、いっか。












そうこうしてるうちに終わりのチャイムが校庭に鳴り響いた。







 

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