《MUMEI》

 


▲▽








「がはァ…………!」






飛んでいく大柄な人間。


場所は路地裏




通行する人々がその光景を凝視しながら通り去る











「あ――痛かった?でもコレ仕事だから」

「は!?」







ガードレールの上に立ち、鼻血を流す男を見下す







「頼まれたんだよね―君を顔が無くなるまでボコボコにしろってさァ」

「……頼まれた……?誰にッ!」

「それは教えれないな―。仕事だから」









ニコニコ見た目は天使のように可愛い細身の青年。しかし吐いてることは悪魔となんら変わりはない






青年はガードレールから軽く飛んでコンクリートの地面に着地


その瞬間、小さな音すら聞こえてこなかった…………











「さっきからテメー仕事だなんだ言ってやがるが、なんの仕事だ!あァ!?」

「いがるないがるな。感情を表に出すことはよけい興奮を高まらせて不利になるよ」








ニコニコ ニコニコ
笑みは止まらない。










「教えてあげよっか僕の仕事」









スタスタいきなり男に近付いていく

それから同じ目線になるようしゃがんで、首を傾げながら












「秘密だよ?僕は君の肉も骨も跡形もなく消し去る殺し屋だよ」

「―――――――ッ!?」


「君さァ、なかなか裏で薬とかまわしてるらしいじゃん。馬鹿だよねぇ、馬鹿のくせに犯罪を犯すなってーの」

「あ、ッみ、見逃してくれ!…………死にたくねェ!」









一気に血の気が無くなる男は必死に生にしがみつくように悲願する


そんな男に青年は口元を吊り上げ


悪魔のように微笑み








「ゲームオーバー♪♪♪♪」









男の後ろ頭を掴み、ゴッと膝に顔面を持っていき鈍い音をさせながら気絶させる








「ふははは、はは、クククッ」









崩れ落ちる男のまわりの地面は血で濡れていた。



周囲の人間は得たいの知れないものを見るように青年をみるが、そんな視線などひとっつも気にしない。逆に愉快で堪らない









「殺し屋がこんな表にでてわざわざ騒がないでしょ。だからお前は馬鹿なんだよ」







冷たい冷気を纏うその雰囲気、只の人間には放たれはしない










 

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