《MUMEI》

 





「やぁ―お疲れシノさーん」

「やめろ触んな」






肩に手を置くと払われてしまった。









「つれないな―、いいコンビだったじゃない僕ら」

「どこがだ。お前みてーな騒ぎを嗅ぎ付けるハイエナとコンビなんかつくるかよ」

「酷――――。ま、いいやハイ!」

「あ?」






ニッコリ笑いながら篠田に手を出す







周りは人だかりと救急車に交通整理の人間や、パトカーの上に乗っかってる赤い光が視界の隅に入ってくる。









「………………なんだよその手は…、つかイライラするんだよそのにやけた面見てると」

「報酬だよ報酬!あんだけの騒ぎをまとめて終わらしたんだよ―!一般市民がッ」

「お前だけの手柄にすんな俺も活躍しただろうが」

「こんぐらいね。お猪口一杯分ね」

「んだと!?」

「あははは、まぁいいや十分とまではいかないけど遊び回れたし帰るよ――――また明日ね―シノさーん♪」






高笑いしながらスキップで姿を消す刈真


それを見届けながらため息をこぼす篠田。









「篠田巡査―――いいんですかあの男ほっといても。重要参考人ですよ彼」

「あ?いんだよ。顔合わせるのもダリーし」

「そ、そうですか」

「もういいから、オラッ持ち場に戻れ」

「は、はいッ!」








ボリボリと頭を掻き指示を出して、部下はそそくさと持ち場に戻っていく。








▽▲







「……………………」

「………………あの」
「何」




ビクゥ!と肩を揺らす色。







「すいません!あたしどうしても黒尾さんのこと忘れれなくて!着けてきちゃいました。…ねッ?」

「いや、あたしは別に」









目の前に今さっき店の中にいた女二人が僕の事務所まで着けていた。






……………うっとーしいなァ











「で?どうしたいの」

「よろしかったらいろいろ黒尾さんのこと知りたいんですけど…………ねッ?」

「だからあたしは」








腕時計をチラリと見る








「もう21時来るけど」

「えー全然平気です」
「いや、あたしは弟に怒られるから帰り……ドォフッ」







弥生の右パンチが色の鳩尾に入る。








「ぜ、全然平気っす。あたし達大人なんで」

「ダメですかね?」






女という生き物はなんて図太いんだろう


まるでゴキブリ並だな。







「…わかった。いいよ入って」

「おっ邪魔しまーす」
「帰りたい」

「あぁ?」

「なんでもございません」










 

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