《MUMEI》
俺を抱け
.




「俺を抱けよ、佑二」

「…!!?」




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無事に始業式前日に退院した、俺。


さすがに秀一も態度変わるんだろな、とか






隆之はきっと、口聞いてくれねーんだろな、とか









…思いながら登校した






教室のドアがやたら重く感じる。



----…、緊張……






ドアを開けると、休み前と変わらぬメンツ。






そして、



「…っはよう!」
「ゔ」






また、いつも通りの秀一








ホント…なんなんだよ、コイツ






秀一は挨拶と同時に俺と(ムリヤリ)肩を組んで、そのまま教室を出た





「…なんだよ」



俺は顔が熱くなってる自分に気付く


…やっぱりまだ、俺はこいつが好きなんだ……って…

そう思った










「秀一、何なんだよ」





秀一は無言のまま俺をトイレに連れ込んだ。



俺は障害者用の個室に、背中を押して入れられて



「だから…何…っ」




振り返った瞬間に頬を両手で包まれて

唇を奪われた



うん、キスされた














俺はどうもしようがなくて、

眼を見開いて秀一の閉じられた瞳を見てることしか、出来なかった











「教えて欲しいんだ…」


秀一はまた、顔を俺の肩に埋めて




今度は正面から俺を抱き締めた

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