《MUMEI》
旅立ち
ここは、とある大きな城下町の大きな広場。
いつもは、わいわいと賑やかなこの広場が、今は水を打ったかのように静まり返っていた。
毎年この日は、町の16才の少年が、必ず一人だけ、旅立って行くことになっていた。
今、ここには、その旅立ちを一目見ようと、町中のみんなが集まっていた。
「今日、また一人の少年が 大きな夢を抱えて旅立っ て行く!」
この町の町長が声を張り上げた。
「この町の伝統とはいえ、やはり旅立つことには勇気がいる!
しかし、旅立ちは素晴らしいことである!旅は!学びである!
行け!少年、キュベラ! 振り返らずに!故郷を捨て!友を捨て!全てを司る神のごとく!!!今!!」「「「旅立て!!!」」」 その声を合図に俺は町を旅立った。

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