《MUMEI》
〜第2幕・拉致監禁〜
『あれがターゲットですか』
黒岩斬解は、威風堂々とターゲットの会社の待合室に居た
拉致をするのにわざわざアポまで取り付ける、これが黒岩斬解のやり口である
物事には、礼儀が必要と言わんばかりのやり方だ
『失礼、君が黒岩斬解君かね』
現れたのは、ターゲットの矢那世昭夫
『はい、あなたを拉致しに来ました』
どこまでも威風堂々とした態度を貫く黒岩斬解
『冗談は、よしたまえよ、大体、本当に拉致をするならアポなんか取らないだろう?』
確かにその通りだ
『いえいえ、何事にも礼儀を尽くす、それが私(わたくし)のやり方でございます』
と、やりとりをするその時だ
ジリリリリリ!火災です、皆さん非難して下さい
出火元は、矢那世専務のオフィスです
『な、なんだこれは!?』
何が起きた分からない矢那世氏
しかし、黒岩斬解は、冷静に語り始めた
『あなたは、今から、火事による大火傷で入院します、では、こちらに』
かち
『おっと、お逃げになれませんよ、手錠で繋いじゃいましたから』
そう言い黒岩斬解は、自分と矢那世氏の手に手錠をはめ動きを封じた
『ぐぅぅ…』
『ご安心下さい、殺しは、いたしません、身の代金も必要ございません、あなた様には、フルコースが待っておりますので…』
そう言った黒岩斬解の目は、とても冷徹な目だった
顔は、笑顔だったが目だけは、冷静だった
こうして黒岩斬解は、矢那世昭夫を拉致した

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