《MUMEI》

「おい!善彦!!馬鹿やろう!なにぼーっとしてやがっ…なんだその腕?」

「ち、ちか…ら?」

「おぅ、ちょっと、こっから飛び降りたいから、アレかけてくれ。なんだっけ?お前の一時的に運動神経ずば抜けるやつ!」

「たなか、田中は?どうなった!?」

「それを見に行きたいから、かけろっつってんだよ!早くしろよ。」

「ここ3階だぞ、田中は…」

「そうだよ!落ちたよ!クッション使って衝撃弱めたから!ぼーっとしてんな!なんなんだその腕のポーズは!?」


山男にまくし立てられ、ようやく頭が回転しだした善彦は、山男の最後の言葉ではっとハラショウの存在を思い出す。


「チカラ!早くこっから離れろ!」

「だから!飛び降りたいって」

「跳べ!」

「うわ!ばかやろ!」


言葉とは裏腹に、山男はするっとベランダから柵の外へと跳びだす。




今ノハ スレシル…アイツハ 我ガノゾミ叶エル カ?



「さぁな…」

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