《MUMEI》

 




その後も二人でテレビみながらどうでもいい話ばっかした。





数学の先生に間違ってハゲ太郎ってあだ名のほうで呼んでしまって呼び出しくらったとか、

生活委員仲間の岡田の二股がバレてしまったらしいとか







もぅホンット社会になにも貢献出来ない話ばっかして笑った。










古くさくて皆の家より年をとってる木造平屋だが、あたし達姉弟の思いでばかりが詰まった家。

大切な家

絆を繋ぎ止めておく唯一のかたち










「もう、寝るわ お休み―」

「お―」






あたしは立ち上がり居間を出る。水輝はまだテレビを見るらしく、軽返事でちゃぶ台に体重をかけながら画面を見ていた。








トタトタ………


たまにギシリと廊下から軋む音をたたせ自室に戻っていく











「あ―…いろいろあって疲れたなぁ…」








ボフッとベッドに沈み、枕に
顔を埋め込む。






―――――死神の黒尾












「ま、もう会うことなんてないでしょ」







独り言を呟いていつのまにか眠りについていた………








 

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