《MUMEI》 紹介しようかい?―紹介しようかい?― あれから何分だ?30分?そんぐらいは歩かされた。 も―足痛いよ――水輝―― あ、そういやアイツ夕方からバイトって言ってたな。 ……………怒られる心配はないか。 ―――――――しかし、 この現場を水輝に見られたらヤバい。確実にこの人を殺しに飛び出してくる……。 考えたくもない嫌な絵ずらが脳内に浮かぶ…… 「なに――見ないでよ、鬱陶しい」 「なッッ!?」 酷い、なんて言い様だこの野郎! 自分が引きずって連れ出したくせに……… 鬱陶しいだぁ?????? 文句を言いたいが顔のどのパーツをみても文句をのしようがないので、肩を落としながら諦めることにした…。 「ここのラーメン美味しんだよ」 ふと、そう言われて見上げて見ると『池島ラーメン』とかかれたのれんが店の玄関に掲げられていた。 ふわりと空気にそって美味しそうな匂いが鼻につく………… 「なにその物欲しげな顔」 「!!」 顔に出してたか チックショウ!恥ずかしいぜ!! 「入る?」 ニコリと綺麗に笑うもんだから一瞬ドキッとしてしまった。 トキめいたんじゃなく、昔あたしに向けて笑ってくれた母さんを思う出したからだ ――なんで……。 スタスタと置いていくもんだからあたしも黒尾さんの後についていく。 「や―や―元気ぃ?」 ガラッと引き戸を開けると温かい空気と同時にラーメンの匂いがたちこめた。 中は綺麗とは言えないが、ラーメン屋!って雰囲気が出てて仕事帰りのサラリーマンや家族連れが見えた 「んだァ?刈真じゃね―か、どうしたまた新しい女か?」 「いやいや失礼だよ。俺に」 「んだとコラ」 つか、この人どんな言われようしてんだ!? どんだけ遊び人?? 「つか何、ラーメン食べにきたのか?」 「それ以外何があるってゆ―の?」 金髪で頭にタオルまいた筋肉質な男の人と黒尾さんが親しそうに話している。 …………つかこの二人対象的だな、腕とか一回り違うし肌の色だって見分けがつくほど違う。 前へ |次へ |
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