《MUMEI》

スタスタスタ





「……………あの、何処に向かってんですか?」

「ん―――そうだなァ、腹ごしらえはしたから今度は遊ぶ?」

「は!!?」







誰が?あなたと!?
イヤイヤイヤイヤ…




わからない。この人の考える思考がわからない。

前に弥生と事務所に行った時はあんなにも鬱陶しそうだったのに………





わからない!!











「あ、あの黒尾…さん。あなた人と関わるのあんまり好きじゃないと思ってたんですけど」

「何で?」

「いや…だって前に弥生と二人で黒尾さんの事務所に伺った時は凄くツンケンしてたってゆうか、煩わしいオーラが出てたんで……」







伺うように見上げる色が言った言葉に少なからず目を見開く刈真。


それから目を細め、笑みを含めた表情で










「僕は大体から人間と話したり遊んだりするのは好きなんだ。でも深入りはさせない……なのにこないだ君達非常識人は仕事の依頼でもないのにズカズカ僕のテリトリ-に入ってきたでしょ?」


「………す、すんません」

「まぁ、君は半ば無理矢理連れて来られたみたいだけど」









はい。正直なところ









「僕は僕が望んだことにしか興味が湧かないし、受け入れさせない」

「…………………」

「僕が興味を示さないのは、全てがらくたで出来ている。人も物も感情さえも」









太陽が落ち、段々と黒く染まっていく空を見上げながら一つ一つ言葉を繋げて

色は刈真の渇いた笑みを横からなんとも言えない表情で見つめる…。










――――――なんて、




可哀想な人なんだろ……










その言葉しか頭に浮かばなかった。








グイッ



「!!?」

「さて、まずはゲ-ムセンタ―」

「おぇぇぇ!?」








あり得ないぐらいのバカ力で引っ張られて吹き飛びそうになる。

刈真は愉快に高笑いをして直行


すると、近くとは言えないが二人を目撃し、足を止める人間がいた。












「………………色……?」






眼鏡の奥から睨みつけるような視線が飛び交ったが、色は一向に気付かなかった。

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