《MUMEI》

▽▲









「あ゛――――っ何だよもうゲーセンだけでこんなに疲れると思わなかったよ」

「そう?歳なんじゃない?」

「アンタがわんぱく過ぎなんだろ!」









あれから約1時間か2時間程度付き合わされた。



ヘロヘロになりながら店内から出てくる









「それにしても弱かったね―全部僕の勝ち」

「負け知らずですよね」

「人生においてもね」
「ウザッ」







冗談だよ。とか言ってるが、多分冗談じゃない。

あの勝ち誇った笑い声にイラッとする











「ねぇ、勝ったんだしなんか奢ってよ」

「えぇ!?じゃあアイスくらi……「お―――――い」









後ろからの呼び掛けに言葉を遮られた。







誰だ?あたし達に言ってんのかな?

とか考えながら振り向くと、もう人間の表情忘れたんじゃないの?って口にしたいぐらい鬼の形相をした…………






「………み、水輝すわぁん…………」




が、いた。














や、やべェェェェェェェェェ












固まる色に気付いた刈真は、「どうしたの」と疑問を投げつけながら色と同様振り向く。



呼び止めたであろうウェイトレス姿の男が、青筋たてながら後ろに立っていた。


見た目からして真面目そうなのだがオーラがあまりにも真っ黒い











「色ちゃ――ん。何だこの干物みたいな物体」

「誰?この のび太くんみたいな人」

「んだとォ!?」

「落ち着け水輝!ビリ――ウ゛!!!」








段々と周りの民衆もこちらに視線を向けてくる










「あァ、君の彼氏?」

「違います!」

「姉弟だボケェェェェェ」
「水輝!」









刈真に飛びかかり道ばたにも関わらず勢いよく押し倒す。

刈真は背中を打ち付け、「痛ッ」と小さく漏らす





一方の色はというと、青ざめながら白眼をむく










ど、どどどどうしよ!
いったんスイッチが入ると治まらないぞ!?

ボッコボコにして自分の気がすまないと治まらないぞ!?



どうする…どうするどうするどうする

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