《MUMEI》
カウントダウン
女として-----
これまで生きてきた中で、私は最も焦っていた。


恋愛はいくつになってもできる。 

女としての賞味期限? そんなの男の妄想でしかない。

しかし、そんな男勝りな気性を否が応でも挫く現実もある。



「私、今年の誕生日が来たら・・・・38歳なんだ」



不安を掻き消すように、真っ先に帰宅後行う習慣を設けた。

それはPCの電源を入れること。


スーツを脱ぎながらも、視線は起動の確認をしている。


「ん!今日は新規さんが3人来てる。 どれどれ・・・?」


今私が見ているのは・・・そう。 出会い系サイト。


結婚適齢期を十二分に越えてしまった私の、現在の婚活は
これに頼るのみなのだ。 



「時間が無い」

気が付けばここ10年、これが私の口癖となっていた。




カタ、カタカタカタカタ、カタカタカタカタ・・・・・



こんにちは、初めまして。 舞です。
メールどうもありがとうございます。 

ナオさんはどんなお仕事をしているのですか?



「送信!」 



最初は、どんな如何わしいシステムか?と、抵抗はあった。 
でも・・・・待っていても恋人はやってこない。



それに、子供を生める限界がすぐそこまで来ているのだ。

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