《MUMEI》

−3月−

「やったーーー☆秀英に受かったーーー」
「私もーーー☆」

秀英学園高等部の合格発表日。
運良く倍率3倍と言われている秀英に受かった私と梨花。

「秀英に受かる何て夢みたいだよーー」
「うん!」

この秀英学園は私立で県内のトップ3に入るくらいの学績。
ただもの凄くお金持ちが通う学園。
だから私がこの秀英学園に行きたいって言った時
お金のことでもの凄く親から反対された。
ただ私の隣にいる梨花は親が大学教授と歯科医なので
超がつくほどお金持ち。

「紗弥香は何組?」
「私・・・1−Aだ。梨花は?」
「私は1−Cだ・・・。」
「離れたね・・・。」
「そだね・・・。」

クラス発表の紙を見てしょんぼりしてた私。

ードンッー

誰かとぶつかってしまった。

「すいません。」
「こちらこそ。」
「あ、同じクラスだ。」
誰かのクラス発表の紙を拾って顔をあげた。

運命かも・・・。って思った。すごくかっこいい男の子だった。
気取ってるけど実は繊細そうで・・・一目惚れだった。

「よろしくな。」
彼が手を差し出してきた。
「うん。」
握手した。
「じゃ、また後で。」
「うん。」
彼は去って行った。

「なになにー。ちょーイケメンじゃん☆」
「うん。」
「沙弥香のことあの人一目惚れしたんじゃないの?」
「梨花ったらひやかさないで。」

教室に入った。
すぐに見つけた。
向こうが私に気付いたみたいで
「あっさっきの・・・」
「うん。」
「さっき名前言うの忘れてたな(笑)」
そう言って照れ笑いした。
「俺、稲葉廉。」
「あっ。私は荒木沙弥香。」
「沙弥香ってゆーんだね。」
えっ・・・。いきなり呼び捨てーーーー。
「うん。」
「俺のこと廉って呼んで!!!」
「うん。」

そう言って廉は席に戻った。
席がまさかの隣だった。
授業中ずっと廉を見ていた。
なのに廉はずっと窓の外を見ている。
外には桜鈴女学校がある。

彼女がいるんだ。。。

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