《MUMEI》
着信アリ
「特別なこと、望んできた訳じゃないんだけどな。 
結婚とか、子供のこととか、きちんと向き合っていける人を
求め続けてきただけ・・・。
その権利が消えようとして初めて、焦りも出てくる、か」


1年前から仕事の整理もし、プライベートの時間は持つようになった。
缶ビールを片手に、すっかりリラックスした表情でまどろむ、平穏の時。



『着信アリ』



TVを横目に、すかさずカーソルを合わせる。


「また新規さんだわ。 しかも、かなりのイケメンじゃない!!
でもロン毛、金髪って(笑)バンドマン? ・・・まさかホスト?」


文面は、その外見からは似つかわしくない真面目なものだった。



『舞さんこんばんは。  
プロフを拝見いたしました。 俺はユウって言います。
急いだ出会いではなく、ゆっくり知り合って仲良くなれたら素敵
だなって思います。  よろしければプロフも見てもらって・・・
すこしづつお話してもらえると嬉しいです』


期待に胸を膨らませて、プロフィール画面をクリックした。
その内容の中で一際目を引く記載があった。


「え?25歳!!!??? 一回り年下???」


25歳で金髪・ロン毛・・・・遊び盛り全開じゃない! 
結婚なんて絶対意識していないわね。 
無理、無理、無理!!

・・・でも、ここまで歳の離れた子とお話出来る機会って
そうないかも。 試しに返信してみようか。



カタカタカタカタ、カタカタカタカタ・・・・・



初めまして、メールどうもありがとう。

バンドをやっているの?

私は昔バンド系音楽が好きだった時期があるので
もしかしたら共通の話題となるかもね。

但し、一昔前のバンドに限りますが(苦笑)



「送信!」 

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