《MUMEI》
扉の先へ
返事はすぐに来た。


意外にも私が好きだった頃の音楽を、楽しそうに語っている。
本人は昔バンドをやっていて、今は会社員なのだそうだ。


益々高まるホスト疑惑も、次のメールで解消された。


そして好奇心で続けた3度目のメールの最後に、なんとも
可愛らしいアプローチがあった。



『舞さん、俺って舞さんにしてみれば本当に子供かもだけど・・・
でも、ゆっくりとお話して知り合って、毎日を重ねる中で仲良く
なりたい。 今日から少しずつお話していってくれますか??』



中々12歳も年上の女性に言えるセリフではない。

既に数名とやり取りをしているところだが、メールのやり取りを
承諾する分には問題ないと、軽い気持ちでOKの返信をした。




『着信アリ』




舞さん、どうもありがとう!

俺は悠輔(ゆうすけ)と言います。

プロフ停止しますね。

ちゃんと向き合いたいので。





この瞬間、私の中で彼は「男性」として位置付けられた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫