《MUMEI》

 





「はやまるな水輝!」










叫んではみるが一向に聞く耳もたず。
野次馬共が何だ何だとたかってくる









「へ―姉弟なんだ―君の方が美人なんじゃない?」

「母親譲りだからな。当たり前だ」
「ちょっと水輝すわぁん!?」









卑劣な言葉が聞こえてくるんすけど!?











「まぁ、なんでもいい。取り敢えず……………殴らせろ」









拳を握り締め、真下にいる刈真に不敵な笑みをみせる。



しかしそんな状況下でも刈真は怯えた素振りもひきっつた表情も見せず、いつも通りの憎たらしい笑みだけを浮かばせていた…。


それがいい感じにイラついた水輝は1秒の戸惑いも見せず拳を降り下ろす








「水輝ッ!!」









叫びと同時に水輝の手首に刈真の左手が絡まる。








「!!」

「勢いがあるのは結構だけど、浅い考えで突っ走るのはどうかと思うよ」

「あァ?」

「つまりさっさと退けろって意味」










ギリリッと予想以上の握力で手首を締め付けられる。








「テメェッ……色の何なんだ?」

「いきなり飛びかかって来るような非常識人に教えてあげる義理はないね」

「ンだと〜〜〜?」






青筋がくっきりと水輝の額に浮かぶ。








 

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