《MUMEI》 マジカル悠輔の名前を表示した携帯が光った。 「会おうよ! どこで待ち合わせする? ・・・できれば田舎の方で会いたいんだ」 リアルな悠輔が少しづつ見えてくる。 >田舎? 行ったことない場所だとちょっと不安だわ。 新宿とか渋谷とか、出やすい場所を希望! 「ごめん。 俺、人ごみ苦手で。 田舎の方のあまり 人が行き来していないようなところが落ち着くんだよね」 もしも結婚して子供が出来たら「パパは人ごみ駄目だから」 ってどこにも連れて行けない人なのかしら・・・。 そんな暴走的不安が脳裏をかすめた。 >人ごみ、私も得意ではないけれど・・・ 田舎って悠輔、例えばどの辺のことを言っているの? 「吉祥寺とか?」 >あ〜そういう場所ね! いいわよ。 じゃぁそこにする? 「そうだね。 俺も行ったことないのだけど、田舎っぽい かな?って。 道に迷ったら交番に行こうね」 >行き当たりばったりには慣れているから、大丈夫よ。 「あとね、俺、会って”この人好き!”って思ったら、初対面でも 抱きつく癖があるの。 もし美香子に抱きついても、怒らないでね」 >駄目よ!!そんなの。 そんなことしたら、次に会う機会はない んだから。 私はそういうのNGね。 了解? 「良かった、先に言っておいて。 気を付けるよぉ」 突っ込みどころ満載のやり取り・・・。 けれど、悠輔に対しては努力なく、全てが可愛さとして受取れた。 私は密かに、年下マジックに掛かっている自分を楽しんでいた。 前へ |次へ |
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