《MUMEI》
暴力に屈するヒロイン
巨悪を暴く女性ライターM子。深夜まで仕事をして、寝る前に入浴を済ませ、バスタオル一枚でベッドにうつ伏せになる。
「ふう」
瞼が重い。彼女がうとうとしたとき、背後に気配が。
「え?」
先に口を塞がれた。
「んっ!」
素早く猿轡を咬まされると、上から足を押さえつけられ、あっという間に両手首を後ろに縛られてしまった。
「んんん! んんん!」
必死にもがくが多勢に無勢。両足首もキッチリ縛られ、全くの無抵抗だ。
「んんん!」
彼女は恐怖におののき、生きた心地がしない。大勢の男たちに上から押さえ込まれ、万事休すだ。
しかし一人が耳もとで囁いた。
「心配すんな。いい子にしてれば酷いことはしない」
悔しいけど逆らえない。
「生意気な態度取ったら犯しちゃうぞ」
彼女は神妙にするしかなかった。
「おまえの記事。読んだぞ。なかなかの名文じゃねえか。ハハハ」
「!」
まずい。ストーカーでも暴漢でもない。
「手を引け」
「……」
「返答によってはこの体をたっぷりかわいがることになるぞ」
M子は唇を噛み締めた。暴力に屈するのか。でも意地を張って酷いことをされても意味がない。
「どうすんだ。手を引くのか?」
彼女はゆっくり頷いた。
「よーし。じゃあきょうは指だけで許してあげる」
そう言うと男は小指を掴んだ。
「んんん! んんん!」
暴れるM子に男が囁く。
「わかったわかった。じゃあ無傷で解放してあげる代わりに手を引けよ」
頷くしかなかった。
男たちはゾロゾロと部屋を出ていく。しかし彼女は一人暮らしだ。手足拘束のまま置き去りは困る。
ベッドの上でもがいていると、最後に残った屈強な男がお尻に手を置いた。
「安心しろ。ほどいてあげるから」
今はプライドを捨ててしおらしくするしかない。彼女は哀願の目で男を見つめた。
「警告を無視したら次がないことくらいわかるな?」
彼女は静かに頷いた。
「よし」
男は両手をほどくと部屋を出ていった。M子は急いで両足をほどき、猿轡を外しながら玄関へ走ると、鍵を閉めた。
その場に崩れ落ちる。
「はあ、はあ、はあ…」
今は何も考えられなかった。無傷で助かったことが今の彼女のすべてだ。

いつでもドロップキックを炸裂できる体勢で準備をしていた激村だったが、飛ぶ必要はなかった。
火剣が得意満面に語る。
「激村。仲田。見たか俺様のチラリズムマジックを」
「ヒヤヒヤしたな」
「激村。本音は女が裸にされることを期待しただろ?」
「貴様と一緒にするな」
「何というか」仲田の顔が曇る。「誇りは犯されましたね」
「バッファロー! 若い女が巨悪と戦うなら覚悟が必要なんだ。実際はテレビドラマのように痛快には行かねんだ」
まくる火剣に激村が言った。
「まあいい。授業を再開しよう」
「タイトルがエキサイティングなヒロインたちだぞ。そろそろ本題に入ろうぜ」
二人は火剣の何でもありパワーに押され気味だ。

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