《MUMEI》
決心
しばらく経ち

江上は、ポツリポツリと

話し始めた。

「私ね、自分の顔が
嫌いなの・・・・・。

私の顔のせいでね、

大切な人を・・・・・

傷つけてしまったことがあるの。

今日、そのことについて

ちょっと・・・・・

言われたの。

でも、私は

言われて当然のことを

しちゃったんだ。」

そう言った江上の頬から

1滴の涙がすっと

落ちていくのが見えた。

「私の顔が

こんな顔じゃなかったら

・・・・・傷つけなくて

済んだかもしれないのに

どうしてかなぁ・・・・・?」

江上が、今までどれだけ

1人で自分を責め続けてきたかが

痛いほど伝わってきた。

俺は、気がつくと

江上のことを抱きしめていた。

俺の中で

さっきの決心が

より強いものになっていた。

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