《MUMEI》
決心
しばらく経ち
江上は、ポツリポツリと
話し始めた。
「私ね、自分の顔が
嫌いなの・・・・・。
私の顔のせいでね、
大切な人を・・・・・
傷つけてしまったことがあるの。
今日、そのことについて
ちょっと・・・・・
言われたの。
でも、私は
言われて当然のことを
しちゃったんだ。」
そう言った江上の頬から
1滴の涙がすっと
落ちていくのが見えた。
「私の顔が
こんな顔じゃなかったら
・・・・・傷つけなくて
済んだかもしれないのに
どうしてかなぁ・・・・・?」
江上が、今までどれだけ
1人で自分を責め続けてきたかが
痛いほど伝わってきた。
俺は、気がつくと
江上のことを抱きしめていた。
俺の中で
さっきの決心が
より強いものになっていた。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫