《MUMEI》 声私はいつものように学校に行った。私が幽霊なのか確かめようと思ったのだ。そして、学校に着いた。 「おはよう、美佳」私の一番の友達に話しかけた。 私の声はどうやら聞こえないようだ。 私は自分の机を探した。私の机の上には花瓶があった。でも、花は枯れていた。 私が起きるまでに時間がそんなに過ぎたのだろうか。 ふと、カレンダーを見ると、季節は夏から秋になっていた。 私は花瓶が置いてある席に着いた。 私の姿も声も誰にも気付かれない。こんなに辛いことってあるの? その時だった「何で、長川がいるんだよっ」と榎原の声がした。 私は振り返った。 まぎれもなく、榎原だった。 「翔矢、何…冗談言ってんだよ」と皆が言った。 「ホントだって、そこにいるじゃんっ」 「見えないよ」 「俺だけ…見えてる」 皆は榎原を無視して話し始めた。 私は榎原に手招きされるままに、廊下に行った。 「お前、生きてたんだろ?」 「私、死んだよ…だってさ…皆見えないし」 私は泣いた。 「わたししにたくなかったよぉ…なんでわたしのこと…みえないのよぉっ」 榎原はただ黙って私のこと見つめていた。 前へ |次へ |
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