《MUMEI》
イルミネーション
私たちはイルミネーションを見た。
「キレイだね…」
私は幸せだ。
愛されている。
私の一番好きな人に愛されている。
奇跡的なことなんだ。
「純・・俺らちょっと見てくるわ。後で連絡するね」
遼斗さんがいった。
「わかった」

 夜の街で光に照らされる―。
 そこにあなたがいる。
 それがとても幸せで、涙が零れ落ちた。
「絵麗那の涙はキレイだ。でも、嬉しい時は笑って欲しい」
「うん」
「苦しい時は・・・泣いても良いけどな」
「ぅん・・」
「俺は笑顔が一番好きだよ」
「うん・・私も純の笑顔が好き」
「だろ?」

 純の手が私の手を握った。
「いいよね?」
「えっ?」

 道の真ん中、照らされて、少し暗い、私たちはキスをした―。

「おかしくなりそうだ」
純が言う。
「何で?」
「絵麗那は知らなくていいことだよ」
「ひどいっ、子ども扱い?」
「違う。きっとな・・」
「ぅん」
「絵麗那が思っている以上に俺は絵麗那が好きなんだ」
 そういって、純は照れながら笑った。
「世界が、純と私のためだけにあったらいいのにな」
「ダメだよ。そしたら、俺のかっこよさが目立たないじゃんっ!」
「はぁ〜???もっとロマンチックなこといいなさいよっ。ばか」

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