《MUMEI》
カミングアウト
「いやいやいやいや、本当に恥ずかしいから!!」


彫刻のように整ったお顔の頬がほんのりと色づいたので
すぐに髪から手を離した。


人の嫌がることを強いるつもりはない。


でも、将来の伴侶を見つける目的としては、非常に気に
なる点である。


「悠輔、今はバンドやってないのでしょう? じゃあ、
髪を伸ばしてる理由はないんだよね? 
・・・もう少し短くしてみたら? 
そんなに特別感をださなくても自分で居られるように、
少しづつ変えていかない?」


「・・・・美香子の愛があったら、もしかしたら変えていける
かもしれない。  でも今は無理だ。  
ねぇ、俺はリアルになったのかな? 俺だけに愛をくれる?」


繋いだ手を自分の傍へと強く引き寄せた。


「わっ!! 待ってよ。 今日はまだ「初めまして」の日よ。
落ち着いて!! もっと悠輔のことを教えてよ」


私は慌てて両手を振りほどいた。
意外にも簡単に振りほどけたことが、自分の同意を示され
たようで、一瞬目のやり場に困った。


「美香子・・・ごめん。 俺、美香子に謝らなきゃ・・・」

「どうしたの? いきなり気まずいカミングアウト?」


視線が深く暫く絡み合った・・・・。


「俺、美香子のこと好きだ。 会って、やっぱりそうだって
実感しちゃったよ。 俺、美香子と付き合いたい」

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