《MUMEI》 夕食私たちは2時間くらい歩いて、純が電話をかけた。 「遼斗、あと30分で食事だから」 「お腹すいた?」 「うん、少し」 「なぁ、俺が先生じゃなかったら・・嬉しい?」 「嬉しくないよ」 「何で、ずっと一緒に入れるじゃん」 「私は、先生でいる純が好きだよ」 「ありがとう」 「だからね・・・私・・純みたいな・・・先生になるよ」 「先生って・・・教師のこと?」 「そうだよ。おかしい??」 「ううん。ちょっと嬉しかった」 「えっ?」 「そういわれる、教師になりたかったんだ」 「うん」 「そういわれる、教師になりたくてなったんだ」 「うん」 「それを一番好きな人がいってくれるなんてな。思いもしなかったよ」 「・・・ん」 「ありがとう。大好きだ。応援するよ」 「絵麗那!純!」 瀬良さんはいった。 「入ろうか」 オシャレなレストランだった。 いかにも高級そう・・・。 おいしい食事とイルミネーションがマッチしてる。 そんな中で他愛のない会話をしていた。 その時だった―。 「あのさ・・純と絵麗那ちゃんに報告がある」 遼斗さんがいった。 「俺ら・・・結婚する。今年の3月で瀬良が高校卒業になる」 「うん」 「だから、4月に結婚しようと思うんだ」 「おめでとう」 私と純の声が重なった。 そして、純は続けた。 「遼斗と瀬良が慎重に考えて出した結果なら、いいと思うよ」 「本当に?」 瀬良さんの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 「早い結婚になるね」 と純が笑った。 「そうだね。でも、結婚って言っても、婚姻届出すだけなんだけどね」 と瀬良さんは笑った。 「結婚式はしないんですか?」 「しばらくはね」 遼斗さんが答えた。 「瀬良が就職する時にするんだ」 「そうなんですか」 遼斗さんと瀬良さんが結婚する―。 「遼斗と瀬良の結婚を祝して乾杯」 そう純が言って、4つのグラスが交わった。 遼斗さんだけお酒―。 純は運転するから、ノンアルコールのワイン。 私と瀬良さんも、未成年だから、ノンアルコールワイン。 私も・・・純と結婚できるのかな―? 前へ |次へ |
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