《MUMEI》 攻防・・・視線を先に外したのは私の方だった。 「ありがとう。 でもゆっくり考えさせてね。 ほら私、 今年で38でしょう? ノリで恋愛始められる歳じゃないの。 まだ見えてない私のことも、ちゃんと知ってほしいし、、」 気持ちを落ち着かせるように、自分自身も落ち付くような 口調で、出来る限り伝えた。 「じゃあさ、目を見せて。 せっかく一緒に居るんだよ? 離れてたら出来ないことしようよ。 ね? こっち向いて」 再び悠輔は私の両手を取った。 「もう・・・、、、分かっていないんだからっ!」 私は目を合わさずに、冗談めかしく、軽く吐き捨てた。 「分かってる。 じゃあ、美香子の”眼球”を見せて。 それなら恥ずかしくないでしょ?」 完全にムチャクチャである。 因みに悠輔はアルコールが一切飲めない。 全てシラフでの対応だ。 私だけが数杯のアルコールを含んでいる。 「眼球って・・・(苦笑) んー、そうか。 分かった! ここは私も男を見せようじゃないの。 3秒間だけ。 3秒間だけ私の眼球を見せてあげるわよ。 そうしたらカラオケタイムしようね?」 「いいよ。 3秒ね」 悠輔は全く怯まない。 前へ |次へ |
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