《MUMEI》






「みつぐっ!」


改札出る前から俺を見つけた聖ちゃんは真っすぐに俺に駆け寄って来た。




「座れた?」

「ん〜ん、ずっと立ちんぼ!すっげー疲れた」



にこにこしながら俺を見上げる聖ちゃん…。


やっぱりすっげ〜可愛いっ!!

自然に手を繋ぐと聖ちゃんは嫌がらずに繋がれてくれた。


………ずっとずっと離れる事なく過ごしてきた俺達。


「…、…、ン…」


「泣くな」


「…だって」


「会えたんだから」

「うん…、グズッ」



はい、泣きだしたのは俺……。



聖ちゃんはギュッと俺の手を力強く握ってくれた。





「寂しかった…」


「ん」


「やっぱり帰省なんてしなきゃよかったよ〜ぅ」


「もう、貢は…」


聖ちゃんは抱き着く俺の頭を優しく撫でてくれる。


もうとりあえずくっつきたくて駅近くのネットカフェに真っ直ぐ直行した俺達。

椅子に聖ちゃんを座らせて、俺は聖ちゃんの頼りない胸にしがみついている。


「夜になるとオチン〇ンが寂しいって泣くんだ」


「…、なんだよそれ」

「聖ちゃんのお尻は寂しいってピクピク泣かなかった?」

脇腹を撫でながら言うと聖ちゃんの体はピクンと反応した。

「…、ちょっとここじゃダメ、ン…、ァン…」

「聖ちゃん…、俺我慢できない…」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫