《MUMEI》

「えっと、俺からのクリスマスプレゼント」
 そういって、遼斗さんは、指輪を瀬良さんにプレゼントした。
「ありがとう」
 瀬良さんは笑顔で涙を流した。
「私からは・・・ネクタイ・・・遼斗・・・これからもよろしくね」
「ありがとう」
 遼斗さんは瀬良さんの背中を軽くさすった。
「純たちは??」
「私・・・純の家においてきたっ・・最悪・・」
 こんなムードで置いてくるなんて私ってバカ。
「ホント・・ウチの子は可愛いから」
純は笑った。

 おいしい食事が終わった。
「実はさ・・プレゼント買ってないんだっ・・ゴメン」
と純は私の耳にささやいた。
「ううん、全然平気だよ。純が抱きしめてくれるだけで幸せだもん」
「ごめんな」
純は申し訳なさそうに誤った。

 そっか・・純はプレゼント用意してなかったんだ・・。
 私ばかり「クリスマス」意識しすぎたのかな・・。


 純が運転する車は純の家に向かった。
 遼斗さんと瀬良さんは2人で楽しそうに話してた。

「ごめん。怒っていいから!!」
「怒らないよ。そんなことで」
「えっ??」
「純に、怒ることなんてない」
「何で・・だってプレゼント」
「純は色々企画してくれたでしょ??」
「うん」
「それだけで胸がいっぱいだよ、嬉しい・・」
「ありがとう」
 
 その後は、純の横顔を見ながら、家までの道のりを待った。

 家に着いた。
「コレ、、プレゼント・・ネクタイ・・使って・・」
「ありがとう・・・」
「似合うと思うんだ」
 純は首にネクタイをまいた。
「似合う??」
「似合う。すごく」
「ありがとな」
 純は私の頭をなでた。
 純の手の熱が頭に伝わった。

「ちょっと、外出て」
「うん・・」

 純の家の外に出た。
「目、つぶって」
「ん・・?」
「いいから」
「ぅん」

 首に冷たい感触・・・。
「何??」
「目、開けていいよ」
 その瞬間、純がキスをした―。
「えっ??」
「好きだよ」
 私の首にはペンダント。
 ペンダントには、、指輪がついている。
「俺とおそろい・・だから」
「本当に??」
「おう。驚かせたくて」
「バカっ・・純のバカっ」
「バカはないだろ」
「嬉しすぎるよ・・・・ホント・・バカなんだからぁ・・」
 私の目からは自然に涙が溢れ出してきた。
「泣き虫だな、絵麗那は」
「違うもん」
「こんな、泣き虫な奴には・・俺しかいないな」
「えっ・・・?」
「ずっと先のことだけど・・・・・」
「・・・」
「就職したら・・結婚しよう」
「えっ・・?」
「結婚してください・・・・・・・」
純は確かにそう言った―。

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