《MUMEI》
パクリとパロディの違い
「パクリとパロディの違いって何ですかね?」
仲田が究極の質問。激村と火剣が興味あるテーマに目を輝かせた。
「議論が百出しそうなテーマだが、なるべくシンプルに語ろう」
「パクリは盗作。パロディはホットドッグだ」
「ホットドッグ?」
「ホットショットだろ?」激村が呆れ顔で言った。
「そうだホットショットだ。トップガンやランボーのように、だれもが知っている大ヒット作品を面白おかしく真似る。それはもう、元ネタがわかっているからパロディになるな」
火剣が乗りまくる。
「どう見てもジョンランボーという主人公が出てきて、ジャングルでサバイバルナイフで敵を一人ずつ殺していく。それをあたかも自分のオリジナルのように描き、指摘されても『乱暴って何?』ととぼけたら完璧にパクリだな」
「気をつけなければいけないのは、自分ではパロディのつもりでも、パクリだと訴えられたら大変だということだ」
激村の言葉に仲田が焦り顔で言った。
「怖いですねえ」
「それは蒼白が顔面になるな」
「火剣さんは身に覚えがあるんですか?」
「バッフォロー! 俺様のはパロディだ」
「パクリもあるな」
呟くように言う激村に、火剣が言い返す。
「テメーこそ存在自体がパクリじゃねえか?」
「何のパクリだ?」
「激村のモデルは超獣ヒバゴンだろ?」
ドロップキック!
「NO!」
火剣は壁に顔から行った。
「がっ…」
目を押さえながら手探りで教室内をさまよう。
「目があ! 目があ!」
「言ってるそばからそういうことやるとメガトンキックを食らわすぞ」
「パクリとパロディの違いは難しいですね」仲田がつくづく言った。
「まあ、こちらが無名の新人で相手が世界的巨匠なら、まず訴えられることはないと思うが」
「ホントか激村?」火剣が明るい笑顔。
「でも歌謡曲はパクリに一番厳しいから注意が必要だ」
「火剣さん歌い過ぎはやめたほうがいいですよ」
「安心しろ仲田。俺様のはギリギリセーフだ」
「余裕でアウトです」
「そういう冷たいこと言うと熱中時代を歌うぞ」
「やめろ」
火剣が踊る。
「デーン、デーンデーン…じーぐざーぐー、じっぐざっぐじっぐっざぐ、一人きりい!」
「途中で歌が変わってるぞ」
「あ、しまったあ! あ、しまったあ!」
火剣が踊りながら近づいてくる。オチを言わせず激村がショルダースルー!
「ノー、らんず」
「まだ言うか!」
激村の形相を見て火剣はドアを開けて廊下にエスケープ。
激村はまとめた。
「パロディの基本は洒落が利いていて面白いことだ。からかうものやバカにした感じなのは良くない。といってもその判断は非常に難しいから、慎重になったほうがいいと思う」

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