《MUMEI》

観客席。


ガヤガヤガヤガヤ…



「あいつ…名前なんだっけ?」



ガヤガヤガヤガヤ…



「あいつって?」



ガヤガヤガヤガヤ…



「赤高のチビ。」



ガヤガヤガヤガヤ…



「あ〜っと…」



ガヤガヤガヤガヤ…



会場中が千秋の実力を疑う中で、


その真価に興味を示す数少ない選手。


内1人は、



ガヤガヤガヤガヤ…



「赤高…赤高…あ、あった。


えと…


背番号7だから…


ひの…ちあきかな?」



ガヤガヤガヤガヤ…



「…へぇ。」



ガヤガヤガヤガヤ…



海南高校の千葉。


体格やスキルで有利に立っていたはずの自分を苦しめた千秋に対し、


千葉は少なからず興味を持っていた。



ガヤガヤガヤガヤ…



(つっても…


あの体格差はひでぇな…


確か向こうのセンターもあのチビもまだ2年だったはず。


あれで同じ学年ね…


中2と高3くらいの差はありそうだけど…)



ガヤガヤガヤガヤ…



「体格とパワーだけで勝負が決まるんなら…」



ガヤガヤガヤガヤ…



「?」



ガヤガヤガヤガヤ…



「俺はハンドやってなかったろ〜な。」



ガヤガヤガヤガヤ…



「…良い事言うじゃん。」



ガヤガヤガヤガヤ…



(現代ハンドボールはああいう奴の活躍があるからこそおもしれ〜んだ。)

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