《MUMEI》

「カバーッ!!」



叫ぶ椎名。



(何してんだッ!!)



あまりにも、
あまりにもあっけなく千秋は抜かれた。



キュッ!!



すかさずカバーに入り間を詰めるユキヒロ。



(これは…)



千秋を抜いた。


と言っても、


フリーにはならない。


榊もここでは冷静に、


まだシュートが打てる段階ではないこと。


このまま打つのは無謀であるということを理解する。



ヒュッ!!



突破の勢いは緩み、


榊は左45へとパスを出す。



(やべぇッ…)



やはりここでも赤高ディフェンスは崩れる。


マンツーディフェンスが機能しない以上、


5枚で中を守るのは圧倒的に不利。


榊の突破は阻止するも、


左45の突破に対応ができず、



ビシュッ!!



シュートが打たれる。















バシッ!!















「ナイスキーッ!!!!!!」



しかし、


村木がこれを阻止。


ボールは弾かれゴール後方へ。


この場合は赤高ボールである。



(ちっ…)



速攻に走る日高と関谷だったが、


要兄弟はマークを外さない。


2人がフリーになることはなく、


赤高はセットプレーからの展開。

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