《MUMEI》
愛の形
今はこの気持ち・・・完璧に封印してしまおう。
接している、その時間だけは、出来うる限りの封印を。




携帯が悠輔からの着信を示した。


「お疲れさま。 
今日もず〜っと、一日中!美香子のことを考えていたよ」


>お疲れさま。 ありがとう。 今日も忙しかった?


「まね。 仕事はしょーがないよ。 それより! 
早く美香子が俺に抱き付いてくる日が来ないかな〜って。 
きっと可愛いんだろうなぁ・・・って思ったら仕事が
手に付かなくなっちゃったよ。 
ねぇ、美香子も今日、俺のこと考えてくれてた?」


>考えていたわよ。 
大人の諸事情を踏まえて、だけどね。 


「つまり、俺達って・・・ラブラブ??」


>そうは言ってないけど(笑)、沢山考えていた。


「俺は美香子が大好きだよ。 頭から離れないんだ。
美香子の気持ちが知りたいよ。 いつもはぐらかされてる」


>感情を表せる段階ではないから・・・今は言えない。
傷付けたくないもの。


「何も言われない方が傷付くんだぜ?
本気で好きになったら、傷つくとか関係ないよ。俺はただ、
美香子の本音が聞きたいだけ。 傷ついてもいい」


>私にもポリシーがあるの!  
恥ずかしがって言えないんじゃないのよ?
好きな人には好きと、私はきちんと言える人なのだから。
言えないとしたら・・・ 何か、事情がある時だけね。


「どんな事情?」


>大人の諸事情!


「素直じゃないなぁ、も〜!  
もし今後、美香子にメールする奴がいたら
「一昨日来やがれ!!」って言ってやんな。 
もう美香子には俺が居るのだから」


>言える時が来たら、そう言うわね。


「・・・まだ、他の男とのメール続けるの?」


>だって、まだ分からないもの。


「俺に愛はないの?」

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