《MUMEI》 魅了のワケ>だから、今は言えないの! 「本音を言ってごらん?」 いつまでもこんなやり取りをしている訳にもいかない。 言葉とは裏腹な距離感に、お互いが困惑している。 どこかのタイミングで伝えねばと思っていた。 私の考える「大人の諸事情」を。 感情以外の部分を包み隠さず伝えることは、今現在 私が出来る、唯一の愛情表現だった・・・。 「つまり、好きというだけでは、付き合わない可能性が あるってことだよね? それはこれから先、美香子の理想に敵う男だと判断され るまで、俺は宙ぶらりんのまんまで、その間ずっと、他の 男と比較され続けるってことだよね? ・・・それは、俺のやり方とは合わない」 少し、頭をリセットする時間を設けた。 >俺のやり方って? 「俺は”この人”と思ったら、きちんと向き合うようにしてる。 美香子のやり方だといつまで経っても、俺と向き合わない ままじゃん。 比較することと、向き合うことは両立しない」 悠輔はおちゃらけていたかと思うと、突然ハッとすることを 言い出したりする。 そのハッとする感覚が群を抜いているだ。 まだ意識すらしていない『言われたい一言』を、最高の 切り口で投げ掛けてくる。 私がいつも好きになるタイプ・・・。 だから私は、悠輔を知らず知らずに求めてしまう。 そこに年齢は関係ない。 単に外見や楽しいだけの「好き」とかではなく、ここが最も 悠輔を手放し難い存在にしている部分なのだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |