《MUMEI》 すれちがい>お付合いする前の段階であれば、数ある出会いの中で 当然比較も出てくると思うの。 そうやって、この人!という決断があったら、一人の人だけと 向き合う・・・つまり、お付合いするようになるんじゃないかな? 悠輔の言い方だと、付き合う前から一人に決めなきゃいけない って感じよね? 「うん。美香子の言ってること分かるよ。 間違ってないと思う。 でも俺はそういうの嫌なんだ。 一人の人としか向き合えない。 向き合うからこそ付き合いにも発展するんだ。 ・・・美香子から愛されるよう一生懸命努力して、それで 仮に美香子の気持ちを得ることができたとしとしても、 一緒になれないかもというのも、耐えられない」 ・・・ おっしゃる通りである。 それが恐くて、安易に気持ちを伝えられないのだから。 >ごめんね。 その後悠輔からのメールが、ぱったりと途絶えた。 自業自得。 不本意ながら、いつものパターンとなってしまった。 想いを伝えられないまま、終わるしかない恋。 短い期間ではあったが、私にとって悠輔との終わりは 「失恋」と言うべきものだった。 久し振りに味わう、虚無感。 痛みの感覚が近過ぎて、まだ、感情として認識できない。 メールが主な交流手段だったが、思い出されるのは 悠輔の声だった。 前へ |次へ |
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