《MUMEI》
第五夜 震災区に活力を!
当たり前の事だが、国家の危急の事態とは、いえ、国庫は、常に市民達に、開かれていなければ、ならない。未曾有の大震災に応じて、国家の故たらん事を、証明するには、徹底した、災害保障、徹底した、社会保障で、一時、経済に縦穴を大きく掘る必要が、ある。
とにかく、食えない、飲めない、過ごせない、といった、生活環境と、金融インフラを早急に手配する必要性があるだろう。当然、借入は、重い。しかし、国家が、仲介に入ってくれれば、生活は、おろか、事業が、たてなおるはずである。現在、二十五兆円の被害ではあるが、短期国債や、震災税制の枠組みを考える上で、一世帯一括八十万円(約一人二十万円)の、税源確保ができれば、無難だろう。

金融によって動く、災害区への投資環境も、考慮すべき盲点でもある。被災区は、立地豊かな平地が、広がっている可能性があれば、新都市計画を基軸に、環境エネルギー都市や、集中工業団地等、工業面で、ともすれば、活路ともいえる、一極依存性を確保する事もできる。また、豊かな金融街を造る事によって、被災区経済のような、短期集中需要を生む、経済の源泉になり得る事も、出来る。

とにかく、街が、壊れたならば、急いで修復するより、都市関連の技術者を、数名から、十数名募り、例えば、自然工学(医療や、福祉、新しい農業等)を、形づくる、新生産拠点を一望に造る事も可能だろう。

注意すべきは、今後の医療の復旧を見据え、怪我や、病気、震災後の過労等に対応するために、順次、医療人員の確保と、安全性や、治安を、平野から、造らなければならない。だが、独創性は、今こそ、生まれるときだ。街を設計したい。瓦礫をアートに変えたらどうだ。今度は、自然と共存する、豊かな農村都市を造ろう。人口が、増える、東京都みたいな、活気あふれる、新社会に住みたい。等。亡くなった人を、祭る、お祭りや、共同墓地だけでなく、震災を、語り継ぎ、二度と、破滅的な、悲劇が、繰り替えさないように、防波堤だけでなく、今回のように、退避勧告、災害警報、事前の気象予測を、刷新するなど、伝統と科学、そして、人々の心のまとまる、一大計画を模索して欲しい。文化祭とは、失礼極まりないが、弔うためにも、復旧への想いと、確かな生活基盤を造りあげるために、官民業、一体となって、被災区での、護り神を、祭り上げてほしい。寺社への弔問も、落ち着けば執り行われる。被災に散った、魂のためにも、連綿と続く、東日本文化を形成して欲しい。僅かながら、助力は、させてもらいたい。価値ある未来を、造りあげましょう。


スティーブン・エス・エンジェル(エンジニア)

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