《MUMEI》
特別という蜜
私は出会い系サイトにログインし、悠輔のプロフィールを
クリックした。



プロフィールは一時停止のままだった。



「悠輔・・・ 忙しいの?」



殆ど空白の画面に
<この会員様はご都合により、現在一時休会をされております>
と控えめに表記されている。 




「俺はそういうの嫌なんだ。 一人の人としか向き合えない」


「プロフ停止しますね。  ちゃんと向き合いたいので」



・・・そうだね、悠輔は付き合う前から、きちんと一人に決めていた。


私もそうしようと思えば、出来ないことはない。
でも25歳の悠輔に流れている時間と、37歳・女性の私に流れ
ている時間とでは、どうしたって異なるものがある。



悠輔・・・ 元気にしてるの?

「さよなら」 は、まだ言ってなかったっけ?

あのさ・・・ 悠輔・・ ごめん・・・  本当にごめん。



カチカチ・・ カチカチカチ・・ カチ・・


私は手早く携帯を操作し、メールを送信した。


「元気?」 という、たった3文字を。

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