《MUMEI》 弱さ頭とは裏腹に、決定ボタンは押されていた。 「あまり元気じゃないよ。 美香子は?」 あぁ・・・悠輔の空気だ・・・。 悠輔のメールだ。 突然敏感になっていく体に驚きを覚えながら、携帯を 強く握り締めた。 >体調崩してるの? 大丈夫? 簡単な返信で応える。 「体調はいいよ。 でもさ・・・ 美香子が冷たくて」 悠輔がよく使う、かたつむりの絵文字が添えられていた。 楽しかったメールでのやり取りの日々が蘇ってくる。 >ごめんね。 実はメール・・・ 送る前に、かなり迷ったの。 もし、輔が私を忘れようとしているのなら、しちゃいけない 行為だものね。 メール、送らない方が良かった? 情けないなぁ・・・ そう心で呟く。 「忘れてはいないよ。 ただ、どうしたらいいのかな〜って」 >そっか。 迷惑なメールでなかったのなら良いのだけど。 私はどこかで”決定打”を誘導していた。 自分の弱さを突きつけられる、悠輔からのキツイ一言を。 もう二度と「メールしてもいいかな?」と思えなくなるような 現実を。 前へ |次へ |
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