《MUMEI》 「それに、君の事は私から両親に報告済みだ」 「わーい♪やったぁ///た〜けしっ♪」 かなたにギュッと抱きつかれると、今までの緊張から解放されて疲れがドッと出て、かなたの肩に手を置くとその小さな肩にぐったりともたれかかった。 「どうした、疲れたのか武君」 「え、いや!大丈夫ッス!」 「いいよ武、おれがギュッしてあげるから♪」 俺の事をどこまで報告されちまってるんだ…とか考えると、かなたに抱きしめられている今のこの状況も含めボーゼンとしてしまった。 「にーちゃ、はるちゃんおれホテルのバイキングが食べたい////」 「分かったよ、子供はビュッフェスタイルの方がいいからな」 「は〜い♪はるちゃん行こ♪」 「う、うん///」 克哉さんははるかとかなたを見送って荷物をポーターに預けると、俺の方に向き直り背中に腕を回してきた。 「さぁ、私たちも行こうか」 「は、はい…ι」 ビビっている俺にそう言ってにっこりと笑いかけてくると、俺の背中を押してかなた達が向かったレストランの方に俺を促した。 「武君、こっちにいる間のあの子達はどんな感じか見せてくれないかな…」 席に着くと克哉さんは運ばれてきたワインを傾けながら、早速聞きたかったであろう本題を切り出してきた。 「はいっ、あの…」 以前もこっそりと俺に双子の様子を見せるようにとわざわざ国際電話からケータイに掛けてきて言ってきた事があったので、俺はすぐにポケットから携帯を取り出すと色々撮っていた双子の写真を見せていった。 仲良く手を繋いでいるはるかとかなたの後ろ姿。 授業中あくびしてるかなた、俺の膝の上に座って授業を受けてるかなた、本当は隣のクラスなんだけどな…。 隣のクラスで体育着に着替えてるはるかとかなた。 油断して寮のソファーで爆睡顔を晒してるはるか。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |