《MUMEI》

「ワッツハプン!(何が起こったの)…ゲーツ シュレヒトゥ?(気分悪い?)」
「うー…///」

さくらは気分悪そうにベッドに頭をもたれかけると、そのまま『うー』とか『あー』とか言いながら眉間に皺を寄せて唸っていた。

「…あ!…ロウエッグス…ドンイート ロウエッグ、サッチ デンジャラスフード(生卵だ、生の卵なんか食べたらダメだよ、あんな危険な食べ物…)」
「卵かけご飯とか…ハブナッシングトゥドゥ…(関係無いし…)」

痛みやすい卵なんかを生で食べたからだ!と、僕は思ったんだけどさくらは違うと言いながらお腹をさすっていた。

関係無い事はないと思うんだけどなぁ。

さっき、さくらが炊いた白いライスにそのまま生の卵を割って美味しそうに食べていたのを見て驚いてしまった。

さくらはそれを『たまごかけごはん』だと言って日本の伝統的な食べ方だと教えてくれたんだけど…。

卵は15分くらい固く茹でる派の僕には、全くもって理解不能だった。


「トイレ、行きますか?」
「あぁ?」

僕のその言葉を聞くと何だかさくらの顔が険しくなって僕を睨みつけてきた。

「うるせー…メンスだ、メンス///」
「え…あぁ…」

メンス……。

なんだぁ〜…メンス(生理)だったのかぁ…。

もっと大変な病気じゃないかって心配してたけど、良かった。

でも…さくらは大丈夫だって言ってるけど、腰をさすっていて明らかに辛そうだった。

「あ…ダンケ(ありがとう)、落ち着いたらあれ着るし…イッツウェイト ティルゼン(それまで待ってて)」
「ダァ…イッツノープロブレム(うん…問題ないよ)」

僕はイスに掛けてあった小さなブランケットを持ってくると、辛そうにしているさくらの腰の辺りに巻き付けて、背中から暖めるように抱きしめた。

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