《MUMEI》
夕暮れの空。
お母さんは、自殺だった。






お母さんの、自殺から一週間後……。





「おはよっ……、大丈夫?調子…」


久しぶりに、学校へ行くと、詩那が私の元へ走ってきた。

「詩那……。
おはよう……、ごめんね、心配かけちゃって。」

「ううん、それより……本当に大丈夫なの?」

「うん、ほらホームルーム始まるよっ!」



久しぶりの学校は、全然楽しくなかったけれど、詩那は私に精一杯気をつかってくれていた。
だから、頑張んなきゃな、って思えた。







学校が、終わり放課後……。


私は、部活を休んだ。
お母さんが、亡くなったとゆうのに、のんきに部活なんか出来るものか…。


私は、スクバを持つと教室を出ようとした、その時誰かが私の名前を呼んだ。
ふと、後ろを振り返る……。

「紗恵、これからさぁどっか行こうよ。ね、?」

詩那だった。
でも、詩那は今日は部活があるはず……。

「どっかって、詩那…部活は?」

「ん、?あぁ、今日は顧問の先生が、休んじゃってさぁ〜、部活無しなんだって。だ・か・ら、寄り道して帰ろ?」

なるほど、そうゆうことか。

「でも……。」

「いいでしょ?
悲しいときほど、騒ごうよ!……、ね?」

「………、そう…だね。」

私が、そう言うと詩那はニコッと笑うと、左手を掴んで走り出した。

「あわわ、わ……!!
ちょ、し…詩那ぁっ、どこ行くのぉ、って……きゃああああ〜!!!」

私は、半分詩那に引きずられている状態で必死に走った。







詩那に、引きずられてから、約10分後……。

空が、赤く染まっていた。

きっと、5時ぐらいなんだな。
と、思っていると、突然詩那が足を止めた。

「空、きれいだね。」

空を、見上げながら詩那がそう、呟いた 。

「そうだね……。」

「なんか、空を見てたらさ
今自分が抱えてる悩みや不安なんて、とっても、くだらない事に、思えてくるんだ……。」

確かに、そうかもしれない。

お母さんが、亡くなった事をいつまでも、悲しんでたって、お母さんは、もう生き返らない。

いつまでも、引きずってなんか、いられないんだ…… 。

「詩那、ありがとう。」

「え?」

「詩那の、おかげで元気出たよ…!!
私、これから頑張んないとね!!」

「紗恵……。ふっ、頑張ってね!」

「うん!!」



ねぇ、詩那……。
私達、ずっと友達だよ?


真っ赤な、空を私達はいつまでも見続けていた。










やっと、お母さんの死から立ち直れた。
そう、思ったのもつかの間。

この後、私と詩那の仲を引き裂く事件が起きようとは、この時思ってもなかったんだ―――。






















つづく。

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