《MUMEI》

「ありがとう。  美香子、一緒に一歩歩みだして欲しい。
俺を愛して欲しい。  その愛が俺をもっと強くするから。
美香子は俺の、ただ一人の特別な女。  強く愛し合いたい」



”強く愛し合いたい” 
その響きに、私は思いがけなく、覚悟を突きつけされた。

それは決して悠輔だけが必要なものではなかった。


女である部分・・・・  
40という大台が見えている女が、金髪、ロン毛の20代に
抱かれる?  まだ、想像もつかない・・・

悠輔に抱かれている自分の姿なんて・・・



>女。 うん。 悠輔も知っての通り、私時々おっさんだから。(笑)
おっさんからの愛でもよろしいのかしら? 悠輔くん?


『本気』を悠輔だけに委ねすぎていた自分を痛感している。


「そういえば美香子って時々おっさん化するよね!(笑)
いいよ、おっさんでも。  俺が女にするから」


その意図が、私の思い過ごしでないことを伝える文。


本当に・・・  悠輔には敵わない。
「俺が女にする」なんて・・・   完全に降参である。



>何だか恥ずかしいわ。


「ん? 急にかわいくなったね?」


>素直に言うとこれだから!


「あいしてる、美香子。 今すぐ抱き締めたいよ」


>うん。 そうしてほしい。


「美香子の俺への感情・・・ ようやく聞けた」



抵抗の言葉はもうなかった。

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